商売人であるわれわれは薬屋である薬屋として胸を張れ サンプルイメージ
会社の理念


リストマーク 私たちの事業は薬屋です。
 
もし、価格勝負で儲けようと思うのなら
こんな事業は選ばなかったでしょう。
安い商品を売るだけなら自動販売機があればそれで十分です。
私たちが営んでいるのはあくまでも薬屋なのです。
だから、お客様との対話をことさら重視します。
おばあちゃんがお嫁さんのグチを言う。
私たちはうなずきながらその話を聞きます。
妊娠しているお母さんが薬による赤ちゃんへの影響を心配していたら
ありったけの専門知識を駆使してアドバイスします。
子供の好き嫌いに困っているお母さんがいたら、
栄養価に関してのコンサルティングを展開することもあります。
薬を買いに来たお客様に対して、
代金と引き替えに商品を渡すだけではありません。
サラリーマンや学生さんならできるだけ眠くならないものを。
お客様の年齢や生活状況をしっかり把握した上で
たった一つの薬を選択する。
ちょっとした気遣いが病気を緩和し、
ちょっとした会話、あるいは話を聞いてあげるだけで心がなごむ。
病院にはできない「術」。
これが私たちの存在理由ではないでしょうか。
私たち薬屋は街の健康管理者でもあるのですから。



ミナミの一等地。
激戦区の中でわずか3店舗で勝負する。
数と拡張の理論をいさぎよしとせず。


大阪ミナミ。デパートやショッピングセンター、心斎橋筋、そして
オフィスビル。学生、OL、サラリーマン、買い物を楽しむ主婦、
商店の人。実にいろいろな人でにぎわう大阪一の繁華街。
市場としては絶好の立地といえます。
ここから船場の間は商店街が続き、とうぜん、競争も激しく
全国チェーンを持つ複数のドラッグストアが10店舗単位で
店を出しています。
ここに私たちは3つの店舗を出しているのです。
地下鉄や複数の私鉄ターミナルがあり、いろんなお客様が
やってきます。
この激戦地区で、商売よりもまず薬屋としての王道を優先する
私たちにとって勝ち目はあるのでしょうか。
私たちが取った作戦はこうです。
まず、土地柄から若い人が多いので雑誌やテレビCM等のマスコミ
は、徹底的にチェック。少しでも話題になりそうな商品があればすぐに
店に出せる体制とそれを説明できる知識をスピーディーに吸収する
ようにしました。
さらに、競合を徹底的に視察して品揃えや価格帯を調べ上げ
ました。そして、各店舗に価格決定の権限を与え価格競争
にも対応できる体制を整えました。
これはしかし、ハード面での作戦です。
私たちが最も力を注いだのはソフト面。つまり、薬屋としてのコンサル
ティングでした。
お客様が入ってきてもすぐには声をかけない。
自由に見る時間を与えてお客様の緊張をほぐすという顧客心理に
基づいた方法です。
しっかりと様子を見ておいて少しでも戸惑っていたり、探しているものが
見つからないようだったらすぐに声をかける。
症状をしっかりとお聞きして、それにあった薬を見つけだす。
たとえば糖尿病の人が来店したときには、まず血糖値を聞きます。
150くらいで食事療法を続けているのなら私たちは健康食品による
アドバイスを行うでしょう。
血糖値が200以上なら、医師からどういった指示を受けているのかを
しっかり聞き出した上で専門的な方法を判断する。
さらに症状をさらに症状を改善させるための専門的なアドバイスも
加える。
お客様が10人いたら10人とも症状はちがいます。
それぞれに最もふさわしい対応を手がけていく。
私たちはこのマニュアルが作れない部分に最も力を注いだのでした。
激戦区。
わずか3店舗での勝負。
遠方からわざわざ私たちの店にやってくるお客様ができました。
数とか拡大といった理論ではなく、私たちはあくまで
薬屋として
ライバルたちに勝負を挑みます。



仕事に店長と新人の区別なし

店舗は複数のスタッフによって構成されています。もちろん店長を
トップにした組織を構成してより効果的に機能する仕組みになってい
ます。
しかし、実務に関しては店長であっても新人であっても、そう大きくは
ちがいません。
スタッフは、各商品を担当。
各商品の専門家と言い換えてもいいでしょう。
だから担当には権限があります。
例えば、平成8年から話題になったO−157対策の薬用ハンドソープ、
雨が続く梅雨の時期には消臭ものや消毒もの、
次世代ターゲットを狙ったキャラクター商品などを仕入れるのは
本部ではありません。
本部による一括仕入れは、数多く仕入れることによって価格的な
メリットが発生する例えば特売品のような商品やよく日常売れる商品が
メインとなっています。
各担当が状況や天候、季節やトレンドを判断して商品の仕入れ計画を
立てる。
もちろん、新人が勝手に仕入れることはありません。
一応店長の許可は取り付けます。
しかし、責任と権限を持たされているという点では同じ。
仕入れの商談、価格交渉までやってのけます。
それぞれがそれぞれの力量によってきめ細かく薬屋を作っていく。
幹部たちも店舗をよく巡回しています。
そこには話し合いの場があります。
上下関係を度外視したコミュニケーションがあります。
現場を忘れない。それが経営スタッフたちの気持ち。
だから新人の意見が経営に反映されることも少なくありません。
仕事に役職の差はない。一人一人が当事者でなければならない
と考えるからです。

 

その喘息の老人のために私たちは
毎月たった1つの薬を仕入れることにした。


梅雨の頃でした。初老の女性が東山店にやって来られました。
喘息を患っていて、そのための薬が欲しいと言うことでした。
私たちはできるだけ詳しい情報を聞き出しました。喘息の薬はいくつか
扱っています。
しかし、その老人の指名した薬は扱っていませんでした。
すぐさまその薬剤メーカーに連絡を取りました。
今までに仕入れていなかった商品をたった1つだけ仕入れることに
したのです。さらに、
@その薬の注文を受けた日付、
A商品の納入日、
Bお客様に連絡した日、
C実際に購入していただいた日、
この4項目をノートで管理。
確実にお客様の手元に薬が届くようにしました。
たった1つの薬を仕入れるために、私たちはここまでします。
商売という視点から見れば馬鹿げていると思う人がいるかも
しれません。
でも、
これは薬屋としてとうぜんの役割だと考えています。
売れ筋だけではなく、どんな薬でも提供できる。
土曜や日曜にメーカーが休みであっても薬を提供できる体制をつくっておく。
「あそこは店にない商品でもていねいに取り寄せてくれる。」。
こうした評価はどんな宣伝よりも効果があるのではないでしょうか。
喘息の老人のために私たちは毎月たった1つの薬を仕入れることに
した。
月にたった一回の仕入れかもしれない。
あるいはその一回限りの商品で終わるかもしれない。
それでも取り寄せてお客様に手渡す。
この選択は私たちの誇りでもあるのです



広告やチラシは打たない。
店そのものの情報発信力に
自信を持っているからだ。

●品数の豊富さを売り物にしている店があります。
●一歩、店内に入ったら、どこに何があるかがすぐに見渡すことが
 できるレイアウトを考案した店があります。
●健康と美に関する品揃えに徹底的に力を注いでいる店もあります。
●特売品でお客様を引きつけるために2週間サイクルでイベントを企画
 している店もあります。
●サラリーマンの多い街で、給料の出る月末に仕入れ量を増やしてい
 る店があります。
●老人の多い地区では、年金支給日の前後に仕入れを充実させて、
 欲しいものが必ずあるように心がけている店があります。
●ビタミン剤のコーナーをつくって、お客様が実際に商品を手にとって
 眺められるようにした店があります。
●若いお客様をターゲットに流行ものやCMに流れた商品は必ず
 チェックする店があります。
●かと思えば、介護用品に力を入れている店もあります。

一見バラバラのようです。実際、各店舗のディスプレイや商品構成は
同じ会社とは思えないほど異なったりしています。
チェーンオペレーションのマニュアルによって同じようなイメージの郊外
店舗を出店するドラッグストアが多い中、
私たちは時流に逆らっているかのようです。
私たちは広告やチラシ、DMは殆ど行っていません。
それは不可能なことだと思っているからです。
それぞれの店舗によってお客様の層は異なります。
それぞれのマーケッティングによって店づくりを考えればイメージが同じ
になるはずはないのです。薬屋というのはそれほど地道できめの細か
い事業だと考えています。
一括して広告を打って、大量に顧客を動員できたとしてもそれは一過
性のもの。
そんなことより、
その街に根ざした店づくりを実践して、商品構成を研究し、
一人一人の顧客とコミュニケーションを取っていく

このことの方がよほど重要だと思っています。
市場に合わせた店づくり。その評価は各店舗が各マーケットにあった
情報発信力を持っていることを意味するのです。



顧客を守るためにあえて価格戦争に挑むことがある。
しかし、薬屋であるという覚悟と誇りは絶対に捨てない。


価格競争はこの業界にはつきものです。
私たちが大事にしているお客様が、価格の安さだけに惑わされる。
これは本当はあってはならないことです。
薬というのは、一歩まちがえれば危険なのです。
ふつうの商品と違うということをわれわれの業界はもっと認識すべき
ではないでしょうか。
私たちがあえて価格競争に打って出るとき、その多くはお客様を守る
ためです。
でも、単にライバル店の価格を調べて下げるという方法は採って
いません。
その理由を探ることにまず力を注ぎます。
時期的なもの、在庫処分、
あるいは私たちへのあからさまな挑戦という場合もあります。
もし、価格を下げる場合でも、各メーカーと交渉して、どの品目を
下げるのかを厳密に判断していきます。
もし、それ以上の価格競争が続くようなら、私たちはさっさと
その競争から降ります。
私たちの薬屋としての役割が危うくなるからです。
そして、メーカーとの信頼関係に傷がつくからです。
私たちはできるだけ返品はしないというスタンスでメーカーと
接してきました。
正しいアドバイスや問診をお客様に行うとなると、メーカーの
商品供給力というバックボーンが必要不可欠なのです。
だからことさらメーカーとの信頼関係は重視してきたのです。
価格競争には薬屋としての覚悟と誇りを持った挑み方がある、と
私たちは考えています。


基礎知識1年、問診10年。
誰もが簡単に出来る仕事はここにはない。


私たちは街の健康管理者でなければなりません。
例えば胃が痛いというお客様が見えたとき、即座に胃薬をいくつか
出すのではダメなのです。
どんな症状かをしっかりと問診します。
症状に応じて、胃薬も千差万別です。
例えば目が痛いというお客様。
本当に目の痛みが原因なのか、それとも眼鏡が
あっていないだけなのか。
それによって治療方法、使う薬は違ってきます。
それらを的確に、しかも瞬時に判断する能力が必要なのです。
また、水虫の症状を訴えてこられるお客様もいます。
しかし、それが水虫なのか蕁麻疹なのか判断が
つかない場合があります。
そんなときは、いい加減な判断で水虫の薬を出すのではなくて、
専門の病院へ行くことをおすすめする。
これも私たちの仕事なのです。
直接、薬や治療には結びつかなくても、お客様のグチを
聞いてあげるだけで気分が晴れることもあります。
世間話をしているうちに元気を取り戻すお年寄りだっています。
奥の深い仕事です。知識を身につけるだけなら
一年もあれば十分でしょう。
しかし、薬屋としての、あるいは街の健康管理者としての問診や
コンサルティングが出来るようになるまでは5〜10年は
かかるかもしれません。
ここには誰にでも出来る単純な仕事はありません。
それはつまり、あなたがここでやる仕事は、
あなたにしか出来ない仕事だと言うことです。


ビジネスとして私たちを測ったとき、
その数字はどこへ出しても引けをとらない。
それは薬屋としての姿勢の強さでもある。